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彩 愛玲 & クリストファー・ハーディ/ワシーム・コトブ
〜 ジョイントコンサート 〜
2014年10月16日 (木) 開場 18:00 / 開演 18:30

昨年度、多古ミュージックサロンは第1回コンサートとしてシリア人ピアニスト、ワシーム・コトブ氏を迎え、第3回コンサートとして台湾にルーツを持つハープ奏者の彩 愛玲(さい あいりん)さんと、パーカッション奏者のクリストファー・ハーディ氏をお迎えし、好評を博しました。
 
難しい状況が続くシリアから、再び今年日本を訪れることとなったワシーム氏。世界中の音楽に触れながら、西洋と東洋が出会うオリエントの音楽を一つのテーマに音楽を追求する彩さん・クリストファー氏の音楽ユニット。ペルシャやローマ、中東の文化が交じり合うシリアを軸に、この3人の音楽世界が重なります。
 
今回のコンサートでは、古楽である13世紀スペインとイスラムの文化交流の場アンダルシアで生まれた「聖母マリアの頌歌 カンティガ」を再び演奏して下さるほか、沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」や神奈川県民謡の「いかとりの唄」、「荒城の月」といった日本の歌曲なども演奏します。また前回ワシーム氏が披露したシリアの伝統音楽をもとにした組曲や、三人での合奏など、今までにない異色のコラボレーションが実現します。

演奏曲目
〜シリアの音楽世界とイスラム文化の出会い・日本の民謡〜

<シリアの伝統音楽>
ワシーム・コトブ作曲 「シリア組曲」
 
<スペインとイスラム文化>
賢王アルフォンソ10 世編  「カンティ-ガ」「聖母マリアの頌歌」
 
<日本の歌曲と地方民謡>
沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」
神奈川県民謡「いかとりの唄」
歌曲「荒城の月」
ほか

 

演奏家紹介

彩 愛玲 Ailing Sai <ハープ>

国立音楽大学卒業。東京芸術大学別科修了。篠崎史子氏に師事。在学中コンピューター音楽に取り組み、中国、スウェーデンにてICMC 国際コンピューター音楽会議にソリストとしてするなど国内外で活躍。2004 年MIT 発刊「Cmputer Music Journal」に演奏を収録。
2007年キングレコードよりCD「 花一輪」をリリース。翌年、東京文化会館にて初リサイタル。( 東京音協主催)
お話を交えたコンサートが好評を得るほか、JFW 東京コレクション、美術館での演奏、画家、朗読など異ジャンルとのコラボレーションを積極的に行う。2010年CD「 Rebirth」リリース。ハープのルーツを辿り銀座ヤマハホールにてシリア人作曲家M. ジャンダリ氏の作品を日本初演。ドキュメンタリー映画「呉さんの包丁」「老兵挽歌」( 林雅行監督) にてテーマ音楽を作曲・演奏。2013 年、中東打楽器のスペシャリスト、クリストファー・ハーディ氏とのCD「Light of theAncients」をリリース。ジャンルを越えハープの音世界とルーツを探求している。
 
公式ホームページ: 彩 愛玲 オフィシャルホームページ


クリストファー・ハーディ Christopher Hardy <パーカッション>

アメリカ出身。1989 年より日本を拠点に活躍。西洋打楽器の基礎をバックグランドに持ちつつ、中近東、北アフリカ、西アフリカやラテンの代表的打楽器であるハンドドラムのスペシャリストとして高い評価を得ている。その活動はルネッサンス音楽からジャズ、R&B、ヒップホップ、ポップ、現代~ワールドミュージックなどと広く通用する語法を備え、独自の打の創造に満ちたアプローチを織り成している。これまで渡辺香津美、山下洋輔、本條秀太郎、林英哲、観世英夫、宮本文昭、尾上松禄、谷川俊太郎、加藤和彦、本田美奈子などと共演し、ジャンルを超えて幅広く活動している。ビクターよりリリースされたソロCD・DVD「タッチ」をリリース、月刊ステレオ誌発表により最優秀録音賞第1位となり同時にアメリカ発売。また自身のプロデュースによるワールド・ミュージック・グループ「Tokyo Groove Alliance」を率いて活動するほか、近年はハープ奏者彩愛玲氏とプリミティブな音世界も展開中。洗足学園大学非常勤講師。シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」のミュージシャンとしてステージに参加。CD・DVD 制作、演劇、朗読劇、フィルム音楽などにも積極的に取り組み、創作的なサウンドを展開している。

公式ホームページ: クリストファー・ハーディ オフィシャルホームページ


ワシーム・コトブ  Waseem Kotoub <ピアノ>

イギリス・バーミンガム生まれのシリア系イギリス人。
ウラジーミル・ザレツキーより音楽の手ほどきを受け、確固たるピアニストとしての経験を積む。KRSF からのスカラシップを得て、英国王立音楽院にてダイアナ・ケトラーのもとで学び、ピアノ演奏およびピアノ教育資格の修士を取得。ダニエル・バレンボイム、 イムレ・ローマン、クリストファー・エルトン、ヴィクター・ブーニン、ゾルタン・コティック、パスカル・ネミロフスキ、ペトラス・ゲニューシャス等のマスタークラスを受講。
IBLA ピアノコンクール ( イタリア) で特別賞、KRSF コンクールで1 位を受賞。ソルヒ・アルワディ、アーマッド・アル・サイーディー、セバスティアン・ヴァイグレ等の指揮のもと、シリア国立交響楽団やブランデンブルグ国立管弦楽団などのオーケストラと協演。
またバルトークフェスティバルのファイナル・リサイタルや、シリアオペラハウスのオープニングナイトの演奏者に選ばれる。その他、ハンガリーのバルトークフェスティバル、ドイツのバビロンフェスティバル、 ウェスト= イースタン・ディヴァンワークショップ、イギリスのダリッジ・カレッジ・リサイタルホール、 デヴィッド・ジョセフォヴィッツリサイタルホール、デュークスホールでコンサートを行う。ヨーロッパ以外でもレバノンやオマーン、ヨルダンなどの著名なフェスティバルやコンサートホールにてソリスト、室内楽の一員として演奏する。
 
自ら作曲家としても活躍する傍ら、シリア人作曲家ワリード・ハヤールのピアノ作品のレコーディングを行い、シリアの伝統音楽を取り入れた楽曲などを広く世界に紹介。 DW チャンネルや国営ラジオチャンネル3 など、シリアやドイツにてテレビ、ラジオに多数出演している。
 またリバプール熱帯医学学校にて、医療制度および病院経営の修士課程で学び、医学の学位も持つ。こうした経験を活かし、医学と音楽を融合させ、特別支援を必要とする人たちとの対話や発達的視点を踏まえた音楽療法を実践している。 また自閉症児には、音楽をコミュニケーションと能力開発の手段として用いた音楽療法も積極的に行っている。
 現在、ソルヒ・アル・ワディ国際ピアノコンクール芸術監督および審査委員長。High Institute of Music in Damascus鍵盤学科主任。ブリティッシュ・カウンシルにて、アートプロジェクトマネージャーを務める。
 

彩 愛玲 & クリストファー・ハーディ & ワシーム・コトブ ジョイントコンサート

 

様々な背景を持つ三人が集い、はるか昔にはそのルーツが交わることもあった長い歴史と伝統の中から音楽が紡ぎだされました。今回はワシームさん作曲のシリア伝統音楽を元にしたオリジナル曲を、ハープ・パーカッション・ピアノで共演できるよう皆さんでアレンジを重ね、披露してくださいました。
 
今回はコンサート以外にも三人に多古町の良さを知っていただく機会を設け、芋掘りや地元の手作り料理などでのんびりとした雰囲気を楽しんでいただきました。そんなゆったりとした時間の中で行われたミニコンサートも、ホールでのコンサートとはまた違った良さを感じさせました。
 
なおワシーム・コトブさんは、シリアの現状を日本の若い人達にも知ってもらいたいと、多古中学校を訪問し30分以上に渡るシリア情勢のプレゼンテーションを行ってくださいました。報道からは知り得ない現在のシリアの様子を写真を交えてメッセージとともにお話くださいました。日本の外で、世界で今何が起きているのかに触れる機会になってくれれば幸いです。
 

  多古町での「芋掘り/焼き芋」体験とミニコンサート
        

 コンサート風景
     

 
ワシームさんの多古中学校訪問風景と新聞の紹介記事